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熊本発、初の海外展—表現の広がりとつながりをニューヨークで
「パンゲア。展」第25回記念ニューヨーク展
会期 2025年6月5日(木)~6月11日(水)
「パンゲア。展」は、2001年に熊本で始まった自主企画のグループ展です。その前身は、1978年から2000年まで全22回開催された「イクロウ展」。世代交代を経て、2001年より名称を「パンゲア。展」と改め、熊本県内を拠点に活動を続けてきました。
「パンゲア(Pangaea)」とは、約2億5千万年前に存在したとされる超大陸の名称で、“すべての大陸”という意味を持ちます。その大陸がやがて分かれて今の世界のかたちになったように、「パンゲア。展」からも、作家たちがそれぞれの道を歩み、やがて世界へ羽ばたいていけるように-そんな願いが、この展覧会名には込められています。
2016年、熊本地震により地域が甚大な被害を受けた際、「パンゲア。展」の作家たちは「自分たちにできることはないか」と考え、避難所となっていた五福公民館でワークショップを実施。画材店やメーカーの協力を得て、避難生活を送る方々にアートを通じた癒しと笑顔を届けました。この経験は、作家たちにとって大きな転機となり、「アーティストとして熊本を活気づけたい」、「自分たちの表現が、人々の心に希望と力を与えられるのではないか」という思いを強く抱くきっかけとなりました。
「パンゲア。展」の作家たちは、2020年に一度、初の海外展をニューヨークで開催する計画を立てていました。
熊本で地道に活動を続けてきた表現を、もっと広い世界に届けたい。身近な作家たちが海外に出て切磋琢磨する姿を発信できれば、誰かの希望や励ましになるのではないか──そんな思いが背景にありました。この計画はコロナ禍の影響でやむなく中止となりましたが、グループ発足から25周年を迎える2025年、メンバーで再び話し合い、あらためてニューヨークを目指すことを決めました。
そしていま、「パンゲア」という名に込めた、つながりと広がりの願いが、初の海外展というかたちで実を結びます。熊本から始まった表現の旅が、いまニューヨークで新たな章を迎えようとしています。
本展が、熊本の芸術文化の魅力と、その先にある可能性を感じていただける機会となれば幸いです。
◇出展作家(五十音順・敬称略)
亜門/一木蓮/糸女蚕/上野絵理/江ばたさとみ/大友啓晃/サカグチユキ/津田一美/中平和寿子/西田美紀/野口よち子/野田竜太郎/馬場勝とし/平田仁美/フクミヤサオリ/藤田ひろぶみ/松下佐代/松嶋いずみ/松村リカ/三浦光博/村田紀美子/瑪瑙瞳瑯/森野香澄
主催: パンゲア。展実行委員会
後援: 熊本県文化協会、熊本県美術家連盟、熊本日日新聞社、株式会社熊本放送(RKK)、株式会社テレビ熊本(TKU)、株式会社くまもと県民テレビ(KKT)、株式会社熊本朝日放送(KAB)、エフエム熊本株式会社(FMK)、熊本シティエフエム株式会社(FM791)
助成: 公益信託くまもと21ファンド

石粉粘土に油絵具着彩|各77cm×23cm|2025年制作
クラシカルなフォルムに、現代的な色彩と眼差しが重なる三体の人形作品。
野田竜太郎 「道化師」
木材にアクリル絵具着彩|44cm×15cm×10cm|2025年制作
独学でマリオネット制作を始めた作家による、ユーモアと哀愁を併せ持つ木彫作品。
会期:2025年6月5日(木)~6月11日(水)
場所:日本ギャラリー
於:日本クラブ7階 145 West 57th street, New York, NY 10019
時間:10:00 am – 6:00 pm (月~金) 10:00 am – 5:00 pm (土) 日休
お問合せ:gallery@nipponclub.org
入場無料