イベント詳細
吉屋信子生誕120周年記念講演会
吉屋信子の生涯と花物語の少女たち
講師:吉屋 敬(画家・執筆家=オランダ在住)
- 講演会
- 11 / 17 / 16
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吉屋信子は明治29年(1896年)に生まれ、大正、昭和にかけて活躍した作家です。十代の頃から少女誌への投稿家として活躍し始めた信子は、「花物語」で少女小説作家として名声を博しました。やがて数多くの新聞小説や文芸誌への連載などで大人向けの大衆小説家として活躍するようになりました。信子のジャンルは広く、少女小説、大衆小説から、純文学、伝記、歴史小説、俳句にまで及び、絶えず新しい世界に挑戦し続けました。そして、歴史小説「女人平家」を最後に、昭和48年(1973年)に77歳で逝くまでの60年以上の年月を、執筆活動に捧げました。
今でも信子を知る多くの人たちは、吉屋信子といえばすぐに少女小説作家、「花物語」というイメージを思い浮かべることでしょう。小説家として大家と呼ばれるようになった後も、かなり遅い時期まで少女小説を書き続けた信子は、読者の少女たちに何を伝えようとしたのでしょうか?少女たちは何を信子の少女小説に求めたのでしょうか?
信子の「花物語」を読んで成長した少女たちは、その後どう生きたのでしょうか?近年信子の「花物語」を中心に、著作の多くが復刻版として発行されたり、生誕110年の2006年には、神奈川県立近代文学館で大展覧会「生誕110年 吉屋信子展ー女たちをめぐる物語」が開催されたりしています。それから10年、今年生誕120年を迎え、今なお続いている信子のリバイバル現象と人気は、何を物語っているのでしょうか?「花物語」で描かれた少女たちの生き方と彼女たちに託した信子のメッセージが、今また問われているのかもしれません。
封建的な男性中心の社会に果敢に挑戦した信子がいかに自我を確立し、いかにして女流作家への道を切り開いて行ったのか、信子の生き活躍した当時の社会状況、家族や友人とのかかわりあい、信子が他の作家や講演者自身に与えた影響などを、オランダ在住の画家であり執筆家
でもある姪の吉屋敬が多数の図版を映写しながら掘り起こし、作家・叔母としての吉屋信子像を浮き彫りにしていきます。
吉屋 敬 (よしや けい)
1965年にオランダに留学。王立美術アカデミー、フリー・アカデミーの両校で、油彩画、リトグラフなどを専攻。1973年、故ユリアナ女王の戴冠25周年記念肖像画展に25名の画家の一人として日本人としてただ一人招待され、女王陛下の肖像画を描く。以来、オランダで画家活動を開始し、1984年以後は日本でも個展活動と執筆活動をスタート。現在は、日本、オランダ、アメリカ等で個展、美術館展、アートフェア―等への招待出展、さらに講演会、執筆等で精力的に活躍している。著書:「楡の木の下で=オランダで想うこと」「母の秘蔵の絵」「ネーデルラント絵画を読む」「みずうみの家」「青空の憂鬱=ゴッホの全足跡を辿る旅」。他に共著、評論等。コレクション:ハーグ市立美術館、佐倉市立美術館、佐倉市音楽堂、アムステルダム日本人学校、ロッテルダム日本人学校等、鎌倉市吉屋信子記念館。
日時:2016年11月17日(木)
開場、受付: 6:00pm 講演会: 6:30pm-8:00pm
場所:日本クラブ7階マルチパーパスルーム
145 West 57th Street, New York, NY 10019
Tel: 212-581-2223
www.nipponclub.org
参加費:会員$15 ゲスト$20(ドリンク付)