展覧会
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金継ぎと漆 — 再生と継承の美
会期 2025年6月26日(木)~7月17日(木)

酒器セット「花」(山久漆工/デザイン:鈴木尚和)

ひだまり:モザイク金継ぎ抹茶茶碗(中野拓)
傷を隠すのではなく、美へと変える。壊れて終わるのではなく、もう一度命を吹き込む。日本の伝統工芸である金継ぎと漆器には、そうした「再生」の哲学が息づいています。
本展では、「金継ぎと漆」をテーマに、日本ならではの修復と継承の姿を、現代と伝統の両面からご紹介します。
1813年創業の老舗、輪島屋善仁による漆器や、福井県鯖江市で三代にわたり漆工芸を続けてきた山久漆工の現代作品を通じて、日本を代表する漆器産地「輪島」と「越前」のものづくりを紹介します。
2024年1月に発生した能登半島地震では、輪島塗の工房や職人が甚大な被害を受けました。これを受け、福井県の越前漆器協同組合では、道具や作業場の貸し出しを通じて輪島の職人たちを支援するとともに、義援金の寄付も行っています。本展では、こうした漆器産地間の連携と支援の流れもご紹介します。
また、独自のモザイク金継ぎ技法を用いて器に新たな美を吹き込むアーティスト、中野拓氏の作品を展示し、日本ならではの修復と創造の芸術に光を当てます。
さらに、関連展示として、詩と墨を通じて時間や文化の記憶を表現する書家、北古味可葉氏の作品、そして「車中泊フォトグラファー」として知られる写真家、渡辺八郎氏による、知られた場所の知られざる瞬間を逆光で捉えた独自の風景写真もあわせて展示します。墨や光を通して「移ろい」や「再生」の美を感じさせるこれらの作品が、展覧会にさらなる広がりを加えます。
伝統と創造が響き合う多様な作品の数々を、ぜひ会場にてご高覧ください。
ギャラリートークのご案内
日時: 2025年6月28日(土)午後2時~3時
登壇者: アーティスト 中野拓氏
作品を前に金継ぎと漆芸の魅力を語っていただくギャラリートークを開催します。漆と金継ぎ、それぞれの視点から語られるものづくりの現場、そして再生と継承への思いに触れる貴重なひとときです。
参加費: 無料
要予約: gallery@nipponclub.org
協賛: JCC Fund
出展協力: 山久漆工株式会社(越前漆器協同組合)、輪島屋善仁、中野拓(TNCA☆)
キュレーター: 林祥子
会期:2025年6月26日(木)~7月17日(木)
場所:日本ギャラリー
於:日本クラブ7階 145 West 57th street, New York, NY 10019
時間:月~金:10:00AM–6:00PM/土:10:00AM–5:00PM/日・7/4:休館
お問合せ:gallery@nipponclub.org
入場無料